MRって結局なんなの?2022年最新版解説!

こんにちは。ダフトクラフトのオオタです。
XRを語る上でAR・VRに次いで注目されている技術、MR(Mixed Reality):複合現実。ですが、スマートフォンで誰でも手軽に体験できるARやゲーム機として普及しているVRと比べ、MRは実際どんなものなのか体験できる機会が少なく、詳しい実態を知らないという方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、「改めてMRってなんなの?」「ARやVRとはどう違うの?」という疑問にお答えしながら、MR技術についてご紹介していきます。

目次

MRとは


MRとは、「Mixed Reality」、日本語では「複合現実」と呼ばれる、XR技術のうちの一つです。現実世界をスキャニングし、その形に合わせて仮想世界を表示することができるのが特徴です。
代表されるハード機はMicrosoft社のHololensシリーズで、最新機は2018年発売のHololens 2です。その他MRに対応する機器は、Magic LeapやCanonのMREAL、HTCのcosmo xr、VarjoのXR-3などが挙げられます。
Microsoft社のHololens 2は仮想世界をホログラム形式で表示するのに対し、Varjo社のXR-3はビデオパススルー(ビデオシースルー)形式で仮想世界を表示するなど、ハードによってビジュアライズ手法に違いがありますが、現実世界に合わせて仮想世界を表示させるというコンセプトは各社変わりません。

AR・VRとの違い


MRはARやVRとどう違うのか?

結論からいうと、MRは「ARやVRとは全くの別物である」ということはなく、「ARとVRの要素を両方持ち合わせた」技術です。また、ARやVRと区別する境界線は、それぞれのハードの進化に伴い今後どんどん曖昧になっていくと考えられます。

MR=仮想現実技術とAI技術の複合

そもそもMRは「Mixed Reality」という名前にもあるとおり、リアルとバーチャルを混ぜる・複合するという性質を持っています。現在MRで代表される機器のHololensで言えば、ヘッドバンド部に内蔵されたセンサーでユーザーがいる空間や部屋の形状を計測し、そこに合わせてバーチャルリアリティを表示することができます。また、バーチャルリアリティはレンズに投影されるホログラムによって可視化され、サングラスのように、現実世界をバーチャルのレンズを通して見ることができるようになっています。つまり、
①現実の空間形状を仮想空間に反映している
②現実と仮想を重ねて見ている

という2点から、リアルとバーチャルが「複合」されていると言えます。

技術を複合する新ハードウェアデバイス

 
最近は、ARデバイス・VRデバイスと呼ばれるものでも、上記の2点を叶えられるデバイスが登場し始めています。
 

 

Snap社 – Spectacles 4

 

ARでいえば、SnapchatのSnap社から発表された「Spectacles 4」というARグラスでは、外面についているカメラで路面検知をすることができます。またスマホARでも、最近はLiDARという深度センサーを搭載したiPhoneが発売されていたり、AIの画像認識技術によって壁・床・空などの空間を検知できたりと、手軽に現実の空間形状を把握する方法が拓かれつつあります。

 

Meta社 – Quest 2


VRでいえば、Quest 2というVRデバイスにはパススルーという機能がついており、外面についてるカメラを通し現実世界の様子をリアルタイムで仮想的に確認することができます。またそのパススルー機能を使用して、現実のデスクトップPCのキーボードを表示させながら、デスクトップPCのモニター部分はバーチャルのものを使用するといった形の、リアルとバーチャルの複合体験が可能です。

このように、現実世界の空間を把握し仮想世界と複合させるというMRの概念は、スマートフォンやVR HMDなどのハードの進化に伴い、さまざまな形・手法で実現される機会が増えています。そのため、MR・AR・VRを区別する境界線は今後どんどん曖昧になっていくという予想になるわけです。

MRが活躍するシチュエーション


さて、そんなMRは一体どんな場面で活躍するのでしょう。現在発売されているMR機器を例に出しながら、実用例をご紹介していきます。

 

① Hololens 2 / 2019年11月発売

発売から2年以上経ってもいまだにMR機器の中で強い存在感を放っているのが、Microsoft社のHololens 2です。ホログラム式のビジュアライゼーションと、快適なモバイル性が特徴です。

https://www.iatecps.com/hololens-2

例えば建設現場では、現場に建つ予定の建物をその場所・その大きさで表示し、確認することが可能。タブレットやスマートフォン越しにARで確認するよりも、近づいてみたり遠ざかってみたりしながら奥行きや距離感をよりリアルに感じることができるため、完成後のイメージがしやすくなります。

 

② Varjo XR-3 / 2021年7月発売

昨年夏に発売されたばかりの最新型MR機器、Varjo(ヴァルヨ)XR-3。ビデオパススルー式のビジュアライゼーションと、極めてリアルに近い解像度と視野角が特徴です。

Varjo XR-3のような機器でぜひ体験したいのは、仮想オブジェクトの圧倒的なリアル感とディテール感。車などの大きいオブジェクトや、世界に一つしかないオブジェクトも、実際に見に行く必要なし。今この場で、本物同然のクオリティのバーチャルオブジェクトを確認することができるようになります。


以上、2022年最新版「MR」解説でした。
XR技術は常に進化し、変容し続けています。ダフトクラフトのブログでは、AR・VR・MR、そしてこれから増えるかもしれない新しい「Reality」の姿について、面白く・わかりやすくお伝えしていきます。ぜひこれからもチェックしてくださいね!

 
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太田 風美

ダフトクラフト株式会社 アシスタントディレクター