要注意!ソフトウェア開発依頼にありがちなミス3選【XR開発費のリアル #2】
XR(VR/AR/MR)の開発依頼先を検討中の依頼者様に、開発費用・期間・工数、そして開発で「できること」のリアルをお伝えする【XR開発費のリアル】シリーズ。今回は、予算組みにまつわるありがちなミス3選と、その対策についてご紹介します。
費用を聞いてびっくりし、そのまま企画倒れ……なんてことが起きないよう、あらかじめ事例を通しておさらいしておきましょう。
目次
ミスを防ぐために押さえておきたいポイント
◆やりたいことや成果物のイメージ
◆単価と期間
XRはまだ研究的な領域であるということもあり、具体的なイメージ像を作りきれないまま開発会社を探し始める方が多く居ます。この2つの前提があっていないと、予算感がずれていくだけでなく、希望の成果物を完成させることも出来ずお互い不幸になってしまいます。
ここからは、開発依頼の中で最もよくありがちなイメージ違い・予算感違いのミスをご紹介します。XR開発のプロジェクトに携わる方や新規事業担当の方は、ぜひ以下を参考にしてみてください。
よくある失敗①
システム開発の1人月(1ヶ月)の想定単価と、最低かかる工数イメージがズレている
総予算100万円くらいで、何かできると考えている印象です。その予算感ですと先にお伝えしたように、エンジニア1名が1か月稼働する分にしかなりません。(スキルのあるエンジニアやテデザイナーの報酬は年々上昇しています。)また、前述したように、最低3名は稼働するとお考えください。お話を進めてせっかくいいアイデアが出ても、上記の認識ですと見積もりの時点で実現不可能となり、時間だけが浪費してしまうこととなってしまいます。
脱線しますが、相場感として、日本の相場感(1名/1か月)は100万円前後。ベトナム、フィリピンなどのアジア圏へのオフショア開発で、安いところでも40万円前後となります。(その分コミュニケーションコストがかかってきます)参考にしていただければと思います。
よくある失敗②
スクラッチ開発の工数感、期間の想定がズレている
年度末の予算消化などの諸事情で、「1人月程度の工数でお願いしたい」と言われることも多くあります。ですが、1ヶ月ではシステムの基礎を構築するだけで終わってしまい、検証まで辿り着くことができません。最低限、実証したい仮説を試すには、3ヶ月程度の期間が理想です。
それでも、1ヶ月程度で簡単になにか試したいというお客様に向けたご提案もございます。
● 弊社がR&Dですでに持っている技術基盤を活用する。
●すでに世の中に出回っているアイデアやサンプルコード、サンプル用のアプリケーションを使って、少しだけ独自のカスタマイズを加える。
上記のように、基礎構築を省く手段を活用すれば工数を調整することが可能な場合もありますので、ぜひご相談ください。
よくある失敗③
バッファ期間が必要だという認識がない
XRは近年普及しているとはいえ、まだまだR&Dや試行錯誤が必要な発展途上技術です。開発をご検討される際は、以下の点をご留意ください。
- 他社事例があっても、それは裏で膨大なR&Dを重ねた上に成り立っている
- チームを動かした結果、成果が上がらないということがあり得る
- 予見できないエラーや技術的に困難な事象が起こり得る
→期間を延ばして解決ができる場合がある
→追加開発で解決ができる場合がある
最初の要件定義を決めておく、もしくはR&Dの要素もあるという認識で、一緒に研究開発していくという気持ちで依頼をするのが良いでしょう。
以上、予算組みにまつわるありがちなミス3選と、その対策についてのご紹介でした。
これから受託開発会社を利用してのXR開発・予算組みを検討される方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考
「IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 超上流から攻める IT 化の原理原則 17ヶ条」https://www.ipa.go.jp/files/000005109.pdf
ダフトクラフト編集部
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