アバターとは?ビジネスで活用するメリット、事例、おすすめの制作サービスを紹介
目次
みなさんは「アバター」と聞いて何を思い浮かべますか?
ゲームや映画を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?現在アバターはかなり進化しており、ビジネスの場面でも注目されている技術の1つです。
この記事では、まずはアバターの意味と種類、アバターのビジネスでの活用事例、アバターをビジネスで活用するメリット、そしておすすめのアバター制作会社3社を紹介します。
アバターとは?
アバターは英語で”avatar”と書き、日本語では「分身」「化身」「権化」という意味です。
インターネット上では「ユーザーの分身のように表示されるキャラクター」という意味で使われています。自分自身の身体や顔などを可能な限り現実に近いイメージに表現したり、動物やマスコットキャラクターなどの架空のイメージを用いたりすることが一般的です。
アバターの活用によってVR(ヴァーチャル・リアリティ)やメタバースなどの仮想空間で実際に他人との会話や行動ができたりするため、まるでその空間にいるかのような感覚を覚えるかもしれません。
アバターの種類とそれぞれの特徴
アバターは下記の3つに大別できます。
- 2Dアバター
- 3Dアバター
- ロボット型アバター
それぞれのアバターの種類と特徴について解説します。
2Dアバター
2Dは「2次元」という意味です。2Dアバターは2次元の平面的な画像(イラスト)を加工して、動き(アニメーション)を加えたものです。ただ、動きはつけられますが、1回転することはできません。比較的リーズナブルな価格で制作できます。
3Dアバター
3Dは「3次元」という意味です。そのため2Dアバターと比べると、立体的で、複雑な表情や動きができるため、より人間に近いと感じられます。
2Dアバターと比較すると制作が難しいため、制作にかかる費用が高くなってしまう点が特徴です。
ロボット型アバター
ロボット型アバターとはAI、遠隔操作、ロボット工学などの最新技術を駆使したロボット型の分身のことです。アバターロボットと呼ばれることもあります。
ロボット型アバターの操作は人間が行いますが、実際に行動を起こすのはロボットです。人間はVRゴーグルやヘッドマウントディスプレイなどのツールを装着して、分身であるロボットを遠隔操作します。
ロボットを介して、自分がその場にいるかのように作業やコミュニケーションをすることが可能です。
人間の代わりに機能してくれるロボット型アバターには、危険な作業を任せられるようになるため、さまざまな分野でロボット型アバターの実用化に向けた研究が進められています。
キャラクターやアイコンとの違い
アバターは「キャラクター」や「アイコン」と似ていますが異なるものです。
キャラクターは「登場人物」を意味し、ゲームやストーリーに登場する人や動物などを指します。それに対してアバターは、ゲームのプレイヤーやSNSのユーザー自身も含まれており、より広範囲です。
アイコンは「記号」という意味で、SNSやチャットなどでユーザーを特定するために使う画像のことを示します。プロフィール画像と同じ意味です。アイコンは静止画であることが一般的ですが、アバターは着せ替えや動きをつけられる点で異なります。
アバターの今と今後の展望
近年、新型コロナウイルスの影響で大人数が一ヶ所に集まることが難しくなったり、働き方改革の一環で在宅勤務の導入がされるようになったりしたため、仮想空間上でアバターを活用したコミュニケーションに対する需要が急増しました。
「アバター」と聞くと、ゲームやSNSのイメージが強いかもしれませんが、最近ではビジネスでもアバターの活用が注目されています。
特にロボット型アバターは工場での作業を遠隔操作で行なったり、災害時の救助活動を行なったり、バーチャル店舗での窓口で受付業務を行ったりと汎用性が高いため、今後ますます活躍の場が増えることは間違いないでしょう。
アバター活用事例4つ
近年下記の分野でアバターが活用されています。
- ゲーム
- SNS
- ビジネス
- メタバース
それぞれの活用事例について紹介します。
ゲーム
「アバター」と聞くと真っ先に思い浮かべるのが「ゲーム」ではないでしょうか?ゲームではアバターはかなり前から使われており、現在も使用されています。
ゲームの世界で行動する自分自身として使われており、下記のようなRPGゲームに使われることが一般的です。
- あつまれどうぶつの森
- ロブロックス(Roblox)
- FINAL FANTASY
- モンスターハンター
他にも、数千人単位でゲーム上で他の参加者と交流できる「MMORPG(マッシブリー・マルチプレーヤー・オンライン・ロールプレイングゲーム)」でもアバターの利用は不可欠です。
また、チョコットランドやNicotto Town(ニコットタウン)のように、オリジナルのアバターを作成することが目的のゲームもあります。そのようなゲームは「アバターゲーム」と呼ばれており、目や鼻の形、髪型や服装など細部まで無数の組み合わせから選ぶことが可能です。
SNS
SNSとして代表的なTwitterやInstagramでは2Dアバターが利用されています。
しかし、Nicotto Town(ニコットタウン)やサンリオキャラクターズ ハロースイートデイズのような空間的な場で交流するタイプのSNSでは、自由自在に動き回れる3Dアバターが活用されています。
ビジネス
近年アバターのビジネスでの活用が注目を浴びており、最近では下記のような場面で利用されています。
- 仮想オフィスやバーチャル会議室
- 社内研修や教育
- 仮想店舗での接客
- イベントの実施
アバターを活用したオフィスや会議室によって、社内のコミュニケーショが活性化したり、よりリアルなオフィスや会議室の空間の構築ができたりといったメリットが指摘されているため、今後ますます導入する企業が増えていくでしょう。
社内研修や教育においては、ロールプレイングや仮想現実での施設見学などの場面においてアバターを活用できます。コストや時間をカットできるだけでなく、学習効果も高まるといったメリットがあります。
仮想店舗での接客は三越伊勢丹のバーチャル店舗「三越伊勢丹REV WORLDS(レヴ・ワールズ)」で、イベントの実施についてはBMWのモーターショーの先行イベントなどでアバターを活用しました。
メタバース
メタバースとはインターネット上にある3次元の仮想空間のことです。
メタバースもアバターを活用すると他のユーザーと交流したり、アルバイトしたり、土地の売り買いや投資したりなどさまざまな活動ができます。
アバターを通じたメタバース体験は、リアルな人間の体験にかなり近いです。メタバース内で混雑しているところをアバターが通り抜ける際に、他のアバターからの視線を感じたという報告もありました。
ビジネスにおいてアバターを活用するメリット6つ
ビジネスにおけるアバターの利用が増えていることを説明しましたが、ビジネスの場面でアバターを活用すると下記の6つのメリットがあります。
- 人件費や経費削減につながる
- 感染症のリスクを気にすることなくコミュニケーションが取れる
- 接客の品質や技術の差を少なくできる
- 社員同士のコミュニケーションが円滑になる
- どこでも働けるようになる
- 雇用する人材の幅が広がる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
人件費や経費削減につながる
たとえばアバターを活用した接客は、インターネット環境があれば、従業員はどこにいても対応できます。1人の従業員が複数の店舗の接客をすることも可能であるため、人材不足の問題を解決できるとともに、人材費の削減にもつながるでしょう。
また、アバター接客は経費削減にも繋がります。設備の導入などの初期費用はかかりますが、店舗や施設に通勤する従業員の交通費などの経費が不要になるからです。
感染症のリスクを気にせずコミュニケーションが取れる
新型コロナウイルスが世界的に落ち着きを見せるようになりましたが、まだまだ感染症に対する不安があります。しかし、アバターを用いた遠隔操作での接客や勤務を通じて非接触になるため、感染リスクを最小限に抑えられるでしょう。
接客の品質や技術の差を少なくできる
接客の場面では、従業員間で品質の差が出てしまうものです。しかし、アバター接客であれば、接客スキルが高い従業員が1人で複数店舗の接客を担当することができます。つまり、接客の品質の差を均一化できるため、顧客満足度も高まることにつながるということです。
社員同士のコミュニケーションが円滑になる
アバターはテレワークにおける社員間のコミュニケーションの欠如というデメリットを解決するのに役立ちます。テレワークでは他の社員との協働が難しく、仕事の生産性や効率が落ちてしまいがちです。しかし、1つのバーチャル空間に従業員がログインして、アバターが常時表示されるので、誰が今何をしているのかを把握でき、さらに声かけもできます。現実のオフィスが再現されると言っても過言ではないでしょう。
また、テレワークや在宅勤務の欠点である孤独感やコミュニケーションの欠如といった課題を解決することにも繋がります。テレワークであってもアバターを活用することで同僚と気軽にコミュニケーションを取ることができ、仲間と一緒に働いているような感覚を味わえるはずです。
どこでも働けるようになる
アバターの活用で、インターネット上のバーチャルオフィスの実現が可能です。アバターが自分自身の代わりにバーチャルオフィスで働くことになるため、自分がオフィスに行く必要はありません。インターネットにアクセスできれば、世界中どこからでも働けるようになるのです。
そして、アバターの活用によって、テレワークが難しいと言われてきた接客業などの業種や業界でもテレワークが実現するようになるでしょう。
雇用する人材の幅が広がる
アバターの活用で、インターネット環境があれば世界中どこからでも働けることを説明しましたが、これは雇用する人材の幅が広がることも意味します。
これまで育児や介護などを理由に出社して働くことが難しい人や、国内の遠隔地または海外の人材も採用できることになるからです。
より優秀な人材の確保が容易になるでしょう。
おすすめのアバター制作サービス3選
リアルアバターは3Dアバター制作会社で、東京・青山にスタジオを構えています。1人1万円からとリーズナブルな価格で、360度をカメラに囲まれた3Dアバター撮影をすることができます。
ちなみに、ダフトクラフトもリアルアバターさんのスタジオで撮影をしたことがあり、完成した3DアバターはそれぞれのAR名刺で使われています。名刺は多くの人と交換するものなので、どうしても1枚1枚の印象が薄くなってしまい、人の顔と名前をセットで覚えるのが難しくなってしまいますよね。
ですが弊社のAR名刺は、スマホで読み込むと名刺の人物が全身アバターで飛び出てくるというインパクト大な仕様。コミュニケーションのきっかけにも一役買ってくれています。
リアルアバターさんでの撮影はほんの一瞬で終わり、手続きやお会計を含めても10分足らずで完結します。「アバターについて、まず何か試してみたい!」という方に大変おすすめなサービスです。
Instant NeRF
こちらは今年3月5日に公開されたNVIDIAの「NVIDIA Instant NeRF」というサービス。映像で紹介されている通り、人をいくつかの角度から静止画で撮影し、それをソフトウェアに読み込ませると自動で3Dアバターを作成してくれます。リアルアバターとの違いは、3Dデータを作るときにAIによる深度の推測を行っている点です。本来アバター制作のためには被写体の写真をありとあらゆる角度から数十枚〜数百枚撮影し、その写真と写真を繋ぎ合わせて被写体の凹凸(深度)情報を確定していく必要があります。ですがAIによる深度推測があれば、前後左右の4枚の写真などから被写体の凹凸を推測してアバターデータを書き起こすことができます。
AIの推測から作られたにもかかわらず、不自然なところがほとんどないこの仕上がり。学習自体は数分、レンダリングは数十ミリ秒でできるとのことで、従来のものに比べるとかなり革新的な技術だといえます。3Dデータ制作をする人にとってこれまでずっと大きな課題だった「効率性」と「制作スピード」が解決される兆しが見えているという点で、こちらのサービスに一番ワクワクしているのは業界内の人間かもしれません。
凸版印刷 メタクローン
こちらは凸版印刷株式会社が2021年11月に発表した「メタクローン™アバター」というサービス。1枚の顔写真と、身長・体重の情報をもとに、自動で自分の顔・体型に近い全身アバターを生成することができます。撮影スタジオに出向く必要がなく、少ない情報からアバターを作ることができるという点で、今回紹介する中では最もお手軽な選択肢だといえます。
まとめ:アバターはビジネスでも活用できる注目のテクノロジー!
今や「アバター」はゲームやSNSの世界だけにとどまらず、ビジネスの世界でも活用されるようになった技術です。
ビジネスの場面でアバターを活用すると、下記のようにさまざまなメリットがあります。
- 人件費や経費削減につながる
- 感染症のリスクを気にすることなくコミュニケーションが取れる
- 接客の品質や技術の差を少なくできる
- 社員同士のコミュニケーションが円滑になる
- どこでも働けるようになる
- 雇用する人材の幅が広がる
特にロボット型のアバターは汎用性が高く、今後の活躍がますます期待できる技術です。アバターについてさらに詳しく知りたい方はダフトクラフトまでお問い合わせください。
ダフトクラフト編集部
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