VRを活用した人材育成 | 効果を発揮する3つのシーンとは?

少子化や2025年問題によって昨今注目度が高まっている人材領域。

「危険な現場環境での実践練習が必要」「教育に多くの時間・人員コストを割くことが難しい」など、さまざまな理由から人材育成の方法として「VR」を検討する人が増えています。ですが、VRを用いた人材育成自体は新しいものではなく、世界中でいくつも事例が発表されており、その効果やメリットは広く認められています。例えば、

  • 1度コンテンツを作成してしまえば何度も体験できるため、コスト削減になること
  • 視覚・聴覚的に研修に没入することで、より質の高い学びが得られること
  • いくらでも失敗できる環境で練習することで、仕事に自信を持てるようになること

などが挙げられます。

さて今回は、そんな人材育成領域における最新のVR活用事例とともに、VRが人材育成への効果を特に発揮する3つのシーンを解説していきます。


三井住友海上 家屋損害調査研修|身体感覚をつかむ

 

出展:https://www.ms-ins.com/news/fy2021/pdf/0714_2.pdf

 

こちらは、VRで再現された家屋に集まり、家屋の損害状態を調査・確認する方法を擬似体験するという事例です。損壊がある部分に仮想的なメジャーを当てて実測したり、六畳一間の一般的な大きさの部屋に入ることで部屋の大きさの感覚を掴んだりといった体験ができます。
空間内での身体感覚を掴むためには、やはり資料や映像を見るだけではなく、実際に何度もその空間を訪れることが必要になります。感染症対策などを考えると一つの空間に複数名で集まるということは憚られますが、VRならば安心して集まることができます。

 

オランダ鉄道 仮想ステーション研修|コミュニケーションに慣れる

 

こちらは電車の駅員さんがプラットフォーム上での接客応対を練習するVR研修の事例。「車椅子で旅行をしている乗客を安全に目的地に送り届ける」「お客様の応対中に、別の人が割り込んできてしまう」などのシナリオを通して、心地よいサービスを届けるための行動を事前にシミュレーションすることができます。
対人の仕事現場では、どんなことが起きるか予測不可能。加えて、辺りが暗い・うるさい・何か緊急事態が起きているなど、環境の状態によってもベストな接客対応は異なります。会議室の中にプラットフォームの環境を再現することは簡単ではありませんが、VRならばほぼ完全に再現が可能。どんな人にどんな環境で応対するのか、さまざまな組み合わせで練習をしておけば、どんな状況に居合わせても落ち着いて対応できるようになります。

 

Texas A&M 建設作業員向け安全訓練|危険・リスクを理解する

 

出展:https://www.kltv.com/2022/02/01/texas-am-doctoral-student-creates-virtual-reality-safety-training-construction-workers/

 

こちらは道路の工事現場で働く作業員さんが、現場に潜む危険を体験できるVR事例。
毎年100人以上が事故で亡くなると言われる道路工事の現場で、危険をより敏感に察知できるようになるために作られたシミュレーションです。実際に危険な環境を訪れて研修をするのはリスクが大きいため、まずは仮想的に作られた危険な環境で安全対策をしっかり学ぶことが大切です。また、擬似的にでも一度ヒヤリとする瞬間を経験しておくと、以降敏感に危険を回避できるようになるそうです。

 


 

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